一九九五年、岩井俊二長編デビュー作。 世界中で愛され続ける、恋愛映画の金字塔 4Kリマスターでスクリーンに蘇る!! 脚本・監督:岩井俊二 出演:中山美穂/豊川悦司 酒井美紀/柏原崇/范文雀/篠原勝之/加賀まりこ 製作:村上光一/企画:重村一、堀口壽一/エクゼクティブプロデューサー:松下千秋、阿部秀司/プロデューサー:小牧次郎、池田知樹、長澤雅彦 撮影:篠田昇/照明:中村裕樹/美術:細石照美/音楽:REMEDIOS/Photo by MARK HIGASHINO/ラインプロデューサー:亀井宏幸 アソシエイトプロデューサー:加太孝明/協力プロデューサー:河井真也/製作:フジテレビジョン/製作協力:ROBOT/配給:TOHO NEXT © フジテレビジョン
第19回日本アカデミー賞では優秀作品賞に加えて、秋葉茂を演じた豊川悦司が優秀助演男優賞と話題賞(俳優部門)を、少年時代の藤井樹を演じた柏原崇と、少女時代の藤井樹を演じた酒井美紀が新人俳優賞を、REMEDIOSが優秀音楽賞を受賞した。
一人二役を演じた中山美穂は、ブルーリボン賞、報知映画賞、ヨコハマ映画祭、高崎映画祭などで主演女優賞を受賞した。1995年度『キネマ旬報』ベストテン第3位、同・読者選出ベストテン第1位に輝くなど多数の賞を受賞している。日本公開後、20カ国以上の国と地域で公開。1999年に韓国で初公開された際には140万人を超える動員を記録。韓国では公開当時「お元気ですか?」が流行語となり、今では20代の若者からも絶大な支持を獲得している。2025年1月に行われた計9回目となるリバイバル上映では観客動員数10万人を突破し話題となった。今もなお、世代を超え世界中で愛され続けている恋愛映画の金字塔。三回忌の帰り道、樹の家を訪れた博子は、樹の中学時代の卒業アルバムから彼がかつて住んでいた小樽の住所を見つけ出した。 博子は忘れられない彼への思いをいやすために、 彼が昔住んでいた小樽=天国へ一通の手紙を出した・・・。
ところが、あろうはずのない返事が返ってきた。やがて、博子はフィアンセと同姓同名で中学時代の同級生、ただし女性の藤井樹が 小樽にいることを知る。博子の恋 樹の恋。一通のラヴレターが埋もれていた二つの恋を浮き彫りにしていく。小樽を舞台に中山美穂、豊川悦司が贈るピュアラブストーリー。中山美穂が渡辺博子と藤井樹の難しい二役に挑戦している。「手紙」という題材がとても難しく、脳みそをくたびれさせながら悪戦苦闘して創りあげました。うまくいっているのか最後まで不安でしたが、初号を観た中山さんが涙を流してくれた時に、やっと映画が完成したのかなとホッとしました。中山さんとは、30周年にあわせてロケ地の小樽に行こうと話していたところだったので、突然の報せを受け、とても驚き言葉になりませんでした。そんな時に公開30周年を記念して4Kリマスターを劇場で上映していただけると聞き、改めて『Love Letter』が永く愛されていることを感じました。今でも、若い方や世界各国の方たちからSNSを通じて「『Love Letter』を観ました」というコメントをいただきます。4Kリマスター化にあたっては、フィルムでは細かい調整が効かなかった部分に手を加え、音声はドルビーSRから5.1chのデジタルサラウンドに変更しているのですが、センターはフィルムの音を残しています。
さまざまな奇跡が重なって生まれた作品です。自分でも分からない、何か不思議な力がこの作品にはあるんじゃないかと感じています。30年の時を超えてスクリーンに蘇る『Love Letter』を、ぜひ劇場でご覧いただければと思います。